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翔べない金糸雀の唄

足利家の夫人たち

翔べない金糸雀の唄

翔べない金糸雀の唄

『翔べない金糸雀の唄』 文学座創立60周記念創作戯曲賞。1999年六本木俳優座にて上演。演出松本裕子。

「遅れてきたカナリア」
「紀夫 由来記 (堂本正樹)」

無明長夜ー異説四谷怪談ー

無明長夜ー異説四谷怪談ー

『無明長夜ー異説四谷怪談ー』 1998年文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作。「新鋭劇作集11」日本劇団協議会刊。「<対話>が劇の骨格をなし、頂点を形づくっているという意味では正統的な戯曲である。・・・・比喩の使い方は西欧の象徴詩のようであり、でも、そこにあるのは日本人の伝統的な美意識を思わせる。一読して、作者は誰だろうとかと思案した。こんな華麗なメタフォリカルな修辞による対話が初心者に書けるはずはない。とっさに、古くは泉鏡花、戦後では三島由紀夫が思い返されたが、以後あまり出会っていない文体である。現実の写実的再現のなかに立ちすくむ現代の劇への悪意とも想定してみた。が、のちに作者名を知った時、なるほどと、と思わずうなった。想定を打ち消した。海の向こうに住みついて、日本の劇の現状など知るはずもない、数少ない浪漫派の残党松永さんだったからだ。(中略) 回帰する『せりふの時代』に向けて刺激的である。」(演劇評論家・岩波剛氏解説ー新鋭戯曲集11-より)

「・・・・南北の『東海道四谷怪談』を下敷きにしてあると言ったが、それはあくまでも人間の業の追求という南北のテーマであり、グロテスクな美と陰惨が同居する、バロック的な雰囲気である。・・・・南北のそれとの大きな違いは“悪”と言うもののとらえ方である。江戸の常民のモラル、勧善懲悪を土台とした南北の歌舞伎芝居に対し、それがわたしの芝居のテーマでもあるが、人間の“善”“悪”はひとえに人と人との関係から生じるものであり、絶対の善人などいないと同様、絶対の悪人もいなければ、絶対の悪も存在しない、という立場に立っている。・・・・」(作者解説より)

むかしばなし羅婬伝説

むかしばなし羅婬伝説

『むかしばなし羅婬伝説』 松竹新作歌舞伎懸賞脚本入選作。1988年新橋演舞場にて上演。主演は片岡孝夫(現仁左衛門)、大地真央。)創作歌舞伎『恋の迷宮』 及び 『隠し絵解き・十字(くるす)恋歌』。 舞踊劇『蜘蛛』(1998年チェコ・プラハで行われた国際映像コンクール参加作品としてNHK制作。主演、池端慎之介) 『恋の重荷』(1999年国立劇場「花柳衛彦企画の会」にて上演。演出、振付、主演花柳衛彦) 『櫛』(チューリッヒ室内楽グループーバヨリン、コントラバス、打楽器ーのために前田智子作曲)など、創作歌舞伎及び創作舞踊台本を収録。

「・・・・こうした不思議な韜晦こそが氏にとっての自然であり、いわば『永遠の思春期の旅人』たる、松永尚三氏の本質なのだと気がつく。戯曲集『むかしばなし羅婬伝説』に収められた四編の『おしばい』を読む・・・、否、巻き拡げてみるがよい。そこに渦巻き状に散り敷くのは、龍田川の錦たる紅葉さながらの、生きている大人の童話の、つややかなマヌカンたちなのだ。・・・・」 堂本正樹(演劇評論家)解説「煌めく玻璃天井の宇宙ー永遠なる思春期を生きる松永氏の心の筺の戯曲たちー」より。